耳鼻科について
現在の医療は専門分野に細かく分かれていますが、耳鼻咽喉科は最も初期に専門の診療がスタートした医療分野のひとつです。英米でもENT(Ear, Nose and Throat)と呼ばれ、耳、鼻、喉、頭を含む頭頸部の診療は耳鼻咽喉科が担っています。
耳は聴覚・平衡感覚、鼻は呼吸・嗅覚、喉は呼吸・飲食・発声と、生命維持や生活に欠かせない複数の重要な機能を担っています。耳鼻咽喉科では、耳の症状では痛みや痒み、聞こえにくさ、耳鳴り、めまいなど、鼻の症状では鼻水や鼻詰まり、頬や眉間の痛み、くしゃみ、嗅覚異常など、喉では痛みや違和感、嚥下困難、息苦しさ、声の変化、口や喉の腫瘍やがんなど、幅広い症状や病気の診療を行っています。
内科との違い
鼻水や喉の痛み、頭痛、発熱といった「風邪症状」は、鼻や喉、気管支の炎症など、様々な原因で生じています。風邪症状がある場合、とりあえず内科を受診するという方も多いのですが、耳鼻咽喉科では鼻や喉の専門性の高い診療を行っており、つらい症状を緩和させて早い回復へつながる適切な治療が可能です。風邪症状を起こす風邪症候群は、多彩な合併症を起こしやすい傾向がありますので、そうした合併症を防ぐためにも耳鼻咽喉科受診は有効です。
内科は様々な不調や生活習慣病などの幅広い症状を総合的に診断しますが、風邪症状で耳・鼻・喉の症状が明らかに強い場合には耳鼻咽喉科受診をお勧めしています。耳鼻咽喉科では、専用の内視鏡スコープで粘膜の状態を詳細に把握した上で、より適切な処置や治療が可能です。
対応している症状
対応している疾患
耳鼻科の検査
当院では、検査結果をお見せしながら説明する事で、患者様が疾患や状態についてしっかり理解した上でご納得できる治療を選択できるようにしています。
分からない事がありましたら、些細な事でも遠慮なくご質問ください。
異物検査・治療
経鼻内視鏡を用いた異物検査と治療
魚骨などが喉の奥に刺さったなどの場合に行います。超極細の経鼻内視鏡スコープを挿入して観察し、異物を摘出します。
耳の検査
耳鏡検査
外耳道や鼓膜などの耳の中を顕微鏡で観察できる検査です。リアルタイム画像がモニターに表示されますので、検査時にご本人や保護者の方が一緒に画像を確認しながら医師の説明を受けられます。
純音聴力検査
どの程度小さい音まで聞き取れるかを調べる検査で、防音室でヘッドホンをつけて行います。低音から高音までの検査音を流し、聞こえたらボタンを押すという検査方法です。聴力レベルを判断するために行います。
難聴の精査や補聴器適合検査として行われます。
語音聴力検査
言葉の聞き取りを調べる検査で、防音室でヘッドホンをつけて行ます。聞こえてきた言葉を用紙に記入するという検査方法です。難聴の精査として行われる他、補聴器の適合を調べる際にも用います。
内耳機能検査
音の強さを様々に変化させて聞こえ方を調べる検査で、防音室でヘッドホンをつけて行ます。難聴の精査として行う検査です。
ティンパノグラム
外耳の気圧を変化させて鼓膜や耳小骨の動きを調べる検査です。圧力をかける耳栓をして行い、検査の所要時間は片耳十数秒程度です。検査中はあくびや嚥下による耳抜きを我慢してください。滲出性中耳炎が疑われる場合や、耳小骨に問題がないかを調べるために行われます。
眼振検査
めまいの原因を調べるために行われる中でも重要な検査です。診察台で横になり、特殊な眼鏡をかけて行います。ものを眼で追うなど眼球の動きを調べる事で、内耳や小脳・脳幹の異常を発見できます。
重心動揺検査
めまいや平衡機能の障害を調べる検査で、三角形の測定台に立って行います。眼を開いた状態で行い、休憩を挟んで眼を閉じた状態でも調べます。検査の所要時間は1分間程度です。直立した際の重心動揺をコンピューターで解析します。
鼻の検査
電子内視鏡検査
解像度が高く、超細径の電子内視鏡を使った検査です。鼻内の粘膜を詳細に観察でき、鼻腔内腫瘍や副鼻腔炎の有無や程度を調べるために欠かせない検査です。当院では、悪性の病変に特有の不整血管を発見しやすい画像処理機能が搭載されたシステムを使っています。リアルタイムの検査画像がモニターに表示されますので、検査中に医師の説明を受けながらご自身や保護者の方も状態を確認できます。
喉の検査
電子内視鏡検査
鼻から超細径の内視鏡スコープを挿入して、咽頭や口頭の粘膜を詳細に調べる検査です。炎症や腫瘍の有無やその程度、範囲、声帯の動き、ポリープの有無などを観察できます。つかえ感、声がれなどの症状が続く場合には、この検査をできるだけ早く受ける事が重要です。リアルタイムの検査画像がモニターに表示され、検査中にご自身や保護者の方も状態を確認でき、医師の説明を受ける事も可能です。
咽頭ぬぐい検査
扁桃炎の原因を調べるために行う検査で、綿棒で咽頭をぬぐって検査します。迅速検査として、A群溶血連鎖球菌とアデノウイルスの検査を行っています。また、性感染症として増加傾向にあるクラミジア・淋菌に関しては外部の検査会社に検査を委託しており、結果が出るまでに約1週間かかります。
唾液の量を調べる検査
ドライマウスの有無を調べる検査で、ガムを10分間噛んで唾液の量を測定します。ドライマウスでは、喉の違和感、舌や口腔内の痛み、味覚異常といった症状が現れ、嚥下や消化にも悪影響を与えます。ドライマウスと診断された場合には、看護師が唾液を増加するためのリハビリ指導を行っています。
耳・鼻・喉の症状は当院へ
風邪をひくと、鼻水やくしゃみ、喉の痛みなどの症状を起こします。また子どもは特に、中耳炎を併発して耳の痛みを訴える事も多くなっています。
こうした風邪症状が強い場合には、耳鼻咽喉科の受診をお勧めしています。
耳鼻咽喉科では、耳・鼻・喉の専門的な診断や治療を行っており、状態を詳細に調べる専門的な検査、つらい症状を緩和させる処置、早い回復や合併症防止につながる適切な治療が可能です。
※発熱を伴う場合には、直接来院せずにまずは電話でご相談ください。