夏の花粉症とは?
夏の花粉症は、主にイネ科の植物によって引き起こされます。
代表的な原因の1つはカモガヤであり、その他にもネズミホソムギ(ネズミムギ、ホソムギ)、オニウシノケグサ、ハルガヤなどの植物が挙げられます。
イネ科の雑草の花粉は4月下旬から7月にかけてピークを迎える傾向があり、スギ花粉に次いで多いとされています。
イネ科の飛散時期
イネ科の植物は、その高い環境適応力で知られ、日本全国で花粉の飛散が確認されています。
これらの植物は春と夏の両方に咲く特徴があり、花粉の飛散量には二つのピークが見られます。
一般的に、春に咲くイネ科の植物の花粉は5〜7月に飛散します。花粉症に大きく影響し、夏の花粉症で知られています。一方、秋に咲くイネ科も存在するため、秋にも鼻炎のアレルゲンとなる可能性があります。
イネ科の花粉症が発症する原因とメカニズム
大気中に漂うイネ科植物の花粉を、呼吸によって吸い込むと、気道の粘膜に付着します。その結果、免疫システムは花粉を異物と誤って検知し、過剰な防御反応を引き起こします。この反応により、ヒスタミンなどの化学物質が放出され、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのアレルギー症状が現れます。
イネ科の花粉の症状
花粉症の症状には個人差があり、環境や体調によっても異なります。
典型的な症状は以下が挙げられます。
- くしゃみ
- 鼻づまり、鼻水、鼻粘膜の痒み
- 目のかゆみ、涙目、充血
- 喉の痒み、イガイガする
- 咳
- 皮膚の発疹、掻痒感
イネ科の花粉が結膜、気道の粘膜、皮膚に付着することで、アレルギー反応を引き起こし、様々な症状をもたらします。
ゴールデンウィークから梅雨の時期に鼻炎の症状が現れる場合は、イネ科の花粉がアレルゲンの可能性があります。また、初夏に公園や川の堤防などの雑草の生えている場所に近づいたときに鼻炎の症状が現れるなら、夏の花粉症が関連している可能性があります。
夏花粉の治療
季節性アレルギー性鼻炎の治療には薬剤の選択肢がいくつかあります。
内服薬
抗ヒスタミン薬が鼻水やくしゃみに効果的で、抗ロイコトリエン薬は鼻づまりに効果的です。症状が重い場合は、短期間でのステロイド使用も検討されることがあります。
外用薬
鼻粘膜の炎症には、ステロイドの鼻スプレーが処方される場合があります。
また、目の結膜の炎症には、抗ヒスタミン作用のある点眼薬が処方されます。
治療方法は個々の症状や体質によって異なるため、自己判断せずに医師の診断を受けることが重要です。
夏花粉の対策
イネ科の花粉症の対策では、環境の整備が大切です。
- 外出時にはマスクやメガネを着用して、イネ科の花粉との接触を最小限に抑える
- 帰宅後は、手洗いやうがいをしっかり行い、顔や髪を洗って身体に付着した花粉を取り除く
- 室内では窓を閉めて花粉の侵入を防ぎ、空気清浄機を使用して空気をきれいに保つ
- 定期的に掃除を行う
- イネ科の植物が生えている場所や草むらに近づかないようにする(一般的に、夏から秋にかけて飛散する植物の花粉は、飛ぶ距離が短い傾向があるため)
- 自宅の庭にイネ科の雑草が生えている場合は、早めに刈り取る